第3章 宿儺◎
待ち合わせ場所にはすでに伏黒君がいた。
『これから呪術高専に行くぞ。
悔いはないな?』
『はい!!!
後悔も戸惑いも全て捨ててきました!』
伏黒君は"そっか"と少し笑い、話を続けた。
『俺ら同級生なんだし、敬語はやめよう。
戦いの時に敬語だと時間食うだろ?』
『あっ、そうですよね・・・
じゃなくてそうだよね!じゃあ敬語やめるね!!』
他愛のない話をしてる間に、
『ここが呪術高等専門学校だ』
と立派な建物の前に着いた。
『寮とかそういうのは五条先生から案内あると思うから、少しここで待機しててく『お疲れサマンサー!!!』
伏黒君が話している途中で、五条先生が遮った。
『ぶん殴りますよ?』
きっとこれが彼らの日常なんだろうな・・・。
私はそう理解した。
『では五条先生、あとお願いします』
『あ!恵ちょっと待って!
君たち苗字で呼び合ってるよねぇ?チームワークを深めるためにも、名前で呼び合わない〜??』
『別にそんなの個人の自由じゃないですか』
伏黒君は不機嫌そうに言う。
『泉智は?どうしたい?!』
ニヤニヤする五条先生が楽しそうに聞いてくる。
『私、伏黒君の名前が好きなので、恵君って呼びたいです!』
今まで男の子を名前で呼ぶなんてなかったから、ドキドキしてしまう。
『分かった、恵でいいよ。俺も泉智って呼ぶ』
少し顔を赤らめる恵君を見て、五条先生のニヤニヤは止まらない。
『じゃあ泉智!!いっくよ〜〜!』