第2章 運命
『決まりっ!!』
五条さんは、口角を上げニヤリと笑った。
伏黒君は目を丸くし絶句していた。
『・・・進路は大丈夫なのか?
高専は寮だし、死と隣り合わせだし、無理しなくていいんだぞ。
あくまで吉本のことなんだからお前がしっかり考えて決めればいい!』
"吉本を死と隣り合わせという危険な環境に置きたくない。
彼女にはしっかり自分の生をまっとうして欲しい。
・・・これも私情か…"
『伏黒君ありがとう。
私は覚悟できています。
むしろ、現状を変えられるのであれば、もし例えそれが地獄であったとしても私はそちらを選びます。
だからお願いです。入学させてください!!』
私は2人に深々とお辞儀をした。
もう何も言わず、私も入学させて欲しい。
お願いだから、私を惑わせないで欲しい。
決意を揺るがさないで欲しい。
『そうか・・・
一つ聞きたい。なぜ吉本は今の環境を変えたいんだ?
俺には吉本の辛さや痛みが見えないんだ、だから教えて欲しい。
なぜそんなに変わりたいのかを』
伏黒君は真っ直ぐ私の目を見て聞いてきた。
『話せば長くなります。それでもかまわないですか?』
『ああ』
『大丈夫だよ、時間はいくらでもある!』
私は静かに話し始めた。