第6章 甘い罠◎
せっかくの日曜日だし、僕も仕事が久しぶりに休みだったから可愛い生徒たちを映画にでも誘おうと寮に向かう。
前から歩いて来るのは・・・
あれ?昨日と同じ服装の泉智…
でも化粧は綺麗にされてるし、髪も乱れている様子はない。
『あれ?泉智朝帰り?むしろ昼帰り?
珍しくな〜い?』
"男か?男なのか?!"
『あっ五条先生、こんにちは…』
少しバツの悪そうな顔をして、俯く。
"この反応はクロか・・・"
『あれから調子はどう?』
『…はい。たまに思い出してしまう事もありますが、もう平気そうです。
ありがとうございます。』
僕を心配させまいとしているのか、微笑みながら上目遣いで言う。
『付き合ってる男がいる…とか?』
僕は一か八かで聞いてみる。
『まままままさか!!!
ここここの私が男だなんて!先生冗談キツいです!!』
焦り過ぎだろ…
昨日恵も悠仁も寮にいたし、あの2人ではない男が外の世界にいるのか…?
泉智は絶対に渡さないからな…
『あのさ』
僕は咄嗟に泉智を抱き寄せていた。
『思い出してツライ時は、いつでも僕の所においで』
耳元で甘く囁いてやった。
泉智の香りに包まれ、少し頭がクラつく。
この子はどこまでも僕の欲をくすぐる・・・
生徒にだけは手を出さないと誓っていたのに、この子を前にするとそんな誓いなんて無かった事のように手を出そうとしてしまう。
…他の男になんて渡すものか。
『・・・せんせ?』
どれぐらい抱き締めていたんだろう。
『大丈夫ですか?気分でも悪いですか…?』
心配そうに僕の顔を覗き込む泉智。
"ちくしょう、このまま押し倒してやりたいぐらいに可愛い…"
『ごめんごめん!
残業続きであんまり寝れてないから、ちょっと寝ちゃったぁ〜』
『え?!立ったままですか?!
先生しっかり寝てくださいね?無理しないでください。』
"その上目遣いがダメなんだって"
『そうそう泉智!
僕から一つ、提案があるの!!』