第2章 網にかかった蝶①【煉獄杏寿郎】
煉獄が台所に行くと冨岡がすでに朝食を食べていた。
「おはよう!冨岡!」
「………あぁ」
「昨夜は世話になったな!すまなかった!」
「気にするな」
「炎柱様、どうぞお席に。朝食です」
「ありがとう!いただこう!」
出された朝食を食べ、羽織を羽織ると煉獄は帰り支度を始めた。
「冨岡、君の継子はできた子だな。階級は何だ?」
「甲だ」
「なんと!では強いのだろうな」
「………まぁな。次期水柱に育て上げる予定だ」
「…そうか。俺の継子に欲しいくらいだ」
「………(は)やらん」
冨岡は煉獄の目の奥に色が宿っているのを見逃さなかった。
「……煉獄」
「なんだ!」
「(あいつは)俺のだ。……手を出すなよ」
低い声に煉獄は軽く目を見開いた。
そこに洗い物を終えたが見送りにきた。
「お帰りですか、炎柱様」
「うむ。世話になった!必ず礼をしよう!ではな、冨岡、此花!」
無表情で見つめる冨岡と頭を下げるを尻目に煉獄は立ち去った。
あの少女が目に焼き付いて離れない。
大きな瞳も、凛とした雰囲気も。
冨岡が羨ましい。
これが所詮一目惚れというやつか。
会ったばかりだというのに、彼女が欲しくて堪らない。
側に置きたい。
いや……
自分の手でぐちゃぐちゃに、汚したい。
あの綺麗な顔を快楽で歪ませて、口から卑猥なことを言わせたら。
興奮する。
煉獄は身を震わせた。
冨岡は自分のへの気持ちに気づいているだろう。
だが……止められるものなら止めてみろ。
彼女は……俺が貰う。