第3章 2. 青空の涙
きっとフロイドの〝好き〟は、お気に入りとイコールで繋がっている。
急に優しくなったり気を利かせてくれたりするが、それもきっとそういう気分なだけ。
一連のフロイドの行動に恋愛感情が伴っているとは考え難い。
「そうそう。そんな感じ。デュースは好きの意味の違いも理解出来ないなんて、お子ちゃまだなぁ?」
「なんだと!?誰がお子ちゃまだ!!」
エースが意地の悪い笑顔と口調でデュースを煽る。
煽られたデュースは、ムキになって反発しながらエースを睨む。
そうするとまたエースが面白がって更に煽るから、デュースも更にムキになる。
こうなると収拾がつかない。
どうしてこうも些細なことで喧嘩が勃発しそうになるのか。
「……グリム、先行こっか」
毎度の事過ぎてもはや叱る気にもならない。
シェラはグリムに声をかけると、エースとデュースを置いて先に校舎へ向かった。
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