第13章 9. 夜半の求愛 ※
どちらともなく唇が重なり、舌が絡まる。
ふたりの身体が隙間なくぴったりと密着する。
『あなたも気持ちよくなってください』なんて言ったものの、気持ちよくさせる方法なんて知らなかった。
だから、今しがたフロイドにされたことと同じことをしようと考えた。
シェラはするりとフロイドの腰から背中へ指を滑らせた。
「っ……」
フロイドの腰が揺れる。
しなやかでしっとりとした肌の感触を指で確かめるように、時間をかけて何度もフロイドの腰と背中を撫でる。
シェラの指が腰のくぼみを捉える度に、フロイドのペニスがピクッと反応を示していて愛おしかった。
フロイドはシェラの唇を味わいながら、両手でやわくシェラのすっきりとした尻を揉みしだく。
シェラの手がフロイドの胸の先端に触れた。
「んっ……」
その刺激で、フロイドの唇が離れた。
指先で触れるか触れないかの力加減でフロイドの胸の先端を撫でながら、シェラは唾液でみだらに艶めく唇をフロイドの喉へ這わす。
雄々しく隆起する喉仏に、ちゅ、とキスをすると、上下したのが分かった。
太くてしっかりとした首をゆっくりと舌でなぞり、鎖骨をやわく食み、くぼみをねっとりと舐める。
時折フロイドを見上げると、熱のこもった視線でシェラを見つめていた。
尻を揉みしだいていたフロイドの手がシェラの秘部へ伸びる。
「あぁ……、あ…………」
クリトリスを掠め、指が中に侵入してくると、思わず声が洩れた。
呼吸が乱されながらも、シェラはフロイドの胸に唇を落とし、ぷっくりと硬くなった乳首をそっと口に含んだ。
「ぁ……っ」
フロイドが小さく声を洩らした。
それを聞くとなんだか嬉しくなった。
片方の手で捏ねるように乳首をつまみながら、もう片方をちゅっ、ちゅ、と吸うと、その度にフロイドの口から甘い声が洩れた。
上目でフロイドを見ると、瞳が性的興奮で燃えていた。
フロイドはシェラの秘部からずるりと指を引き抜くと、まるで指についた蜂蜜を舐め取るように、シェラの愛液で濡れる指を長い舌でねぶって見せた。
その様は、まるで挑発でもしているようにシェラの瞳に映る。
フロイドをもっと気持ちよくさせたい。
シェラの手がフロイドの下肢に伸び、そっと雄の象徴を指でなぞった。