第13章 9. 夜半の求愛 ※
トロトロの愛液をすくってそこを小刻みかつ執拗に責められると、痺れるような快感が走りシェラの腰が浮く。
「あ…っ!ほんと、まっ……て、なんか、……くる……っ!うぁ……っ」
太腿を震わせながら、自分の声とはにわかに信じ難いような淫らに震えた嬌声を上げる。
それは、すぐそこまで迫ってきていた。
未知のなにかが怖くて、やめてと声を上げてもフロイドはやめてくれない。
シェラの背が弓のようにしなる。
ナカがヒクヒクと震えているのがわかる。
じゅるじゅると吸われるように、大胆かつ丹念にフロイドに舐められ続けると、喘ぎ声も愛液もとめどなく溢れる。
フロイドの口を濡らすのもお構い無しに愛液が溢れて止まらない。
もう、我慢の限界に近かった。
鋭い快感が、シェラの全身を駆け巡り、頭の中を真っ白にさせた。
その瞬間、シェラの腰が跳ねた。
「あぁっ……!ん……っ、んん……っ!――……!!」
「すげ……、小エビちゃん、イッちゃったの?」
上体を起こしたフロイドは、シェラの愛液で濡れた口元を舌で舐めながら訊いた。
絶頂を迎えること。
言葉ではなんとなく聞いたことはあったが、この、頭が真っ白になって何も考えられなくなる感覚がそれなのだろうか。
足の裏から脳天まで、全身に甘い電流が走ったようなあの感覚を、イッたというのだろうか。
確かに快感という大きな波に攫われるようだった。
声も、身体の痙攣も、自分では全く制御が出来なかった。
自分が自分で無くなるようだった。
「…………」
言葉を発さずにシェラは小さく、こく、と頷いた。
フロイドに舌で愛撫されていたところを中心に、じわじわとゆるく快感の余韻が残っている。
身体は言葉よりも正直だ。
更に上の快感を求めて、愛液をこぼしながらひくひくと疼いている。
もっと気持ちよくさせてほしい。そう言っているようだった。
まるで飢えてダラダラと涎を垂らすケモノのようだと思った。
「キス、してください」
頬を染めながらシェラは両腕を広げて、キスと一緒にぎゅっと抱きしめるよう催促する。
フロイドはシェラが求めた通り、ぎゅうっと抱きしめキスをした。
ちゅっ、ちゅ、と唇を重ねながらも、シェラの意識は太腿に当たるフロイドの硬くそそり勃つペニスにあった。