第7章 コチョウラン *全校生徒+α*
「包帯は~…」
1年生の鶴町伏木蔵は、いつもの保健委員の歌を歌いながら忍術学園の庭を1人で日陰に沿って散歩していた。
すると、「おい…」と小さな声で彼を呼ぶ声が聞こえてきた。
伏木蔵はハッとしてから周りをキョロキョロ見渡した。
「こっちだ!保健委員の…」
「ん…あ!タコ焼きどき城のしょせんそんなもんさん!!うぅ~ん…スリルとサスペンス~…!」
声の方を見ると、学園の塀の屋根の上にタソガレドキ城の忍者の諸泉尊奈門だった。突然のハプニングや驚きがあるとときめく節があるためウフフ…と笑っていると諸泉はまた彼を呼ぶ。
「おい!話を聞け!あと、私はタソガレドキ城の諸泉尊奈門だ!!」
「おっ…!それはそうと、何か御用ですか?」
「お前な…。これを、明後日になったら和歌菜に渡してくれないか?」
諸泉は、伏木蔵に1枚の紙と白い花を手渡した。
紙を受け取った伏木蔵はその紙を見ようとした。「見るんじゃない!!」と諸泉に怒られ一応見ようとする手を止めた。
「それを明後日、和歌菜に渡してくれ。頼んだぞ」
「…どうして明後日なんですか?」
「えっ…知らないのか?明後日は和歌菜の誕生日なんだ。毎年祝っていたのだが、今回は遠出の任務でここに来られそうにないんだ。だから、代わりに渡してくれ」
「えっ…誕生日…?」
「じゃ、頼んだからな!」
と、諸泉はそれだけ言い残し忍術学園を後にした。
受け取った紙と花を見た伏木蔵は驚きでほぉ…と息を吐いた。
「…すっごいスリル~…」