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陰陽の結び 《忍たま乱太郎》

第5章 アサガオ *齋藤タカ丸*




***


その日は午後から授業がなく、明日は休みの日ということもあり昼過ぎの今の時間から帰省する人がたくさんいた。
俺も帰省の予定だったから、今日もまた呼び出されている彼女が返ってくるまで部屋にいて彼女が帰ってきたら帰省しようと思っていた。



帰省の準備をして待っていると、廊下に何やら慌ただしい足音が聞こえてきた。何かと思って身構えたら、彼女がなぜか息を荒くして戻ってきた。


「和歌菜ちゃん?どうしたの…なにかあッ!?」


襖を開けたまま立ち尽くす彼女に近づいて尋ねると突然彼女が倒れそうになった。俺はそれを何とか受け止めたが彼女は肩で息をするくらい苦しそうだった。


「和歌菜…ちゃ…?何があったの?」

『はぁ、はぁ…ろ、6年生に…呼び出されて、断ったら…何か、の…液体を、かけられたんです…。そしたら…身体がしびれて、ハァ…そしたら、ハァ、6年の、先輩に…押し倒されて…怖くなって…鉄扇で殴っちゃって、それで…』


そう言う彼女の身体から、何やら噎せ返りそうな甘い匂いが漂ってきた。おそらくこれは何かの薬・・・媚薬のようなものだと直感した。彼女にこんなことした6年生の事は許せなかったけど、今は彼女の方が先だった。


「…今ならまだ保健委員がいるかも。急いで保健室に…」

『やだ!!…こんな、とこ…保健委員の人達に見られたく、ない…』

「でも…」

『ハァ、ハァ、…ッた、タカ…丸、さ…』


彼女は震える手で俺の制服を掴んできた。
そして、とろんとした目で俺を見て・・・



『ッハァ…はぁ、たす…け、て…』




あぁ…なんで、そんな顔・・・
嫌だ・・・もう、これ以上・・・




俺を君に夢中にさせないでよ・・・




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