第3章 ミニバラ *七松小平太*
最初の印象は、仙蔵みたいなやつだな・・・という印象だった。
というのも女みたいに華奢で色白だったからだ。
でもうっすらと何か企んでいそうな顔なのは、最初に図書室であった時から気が付いていた。
そして、学園長の命を狙う暗殺者と知った後は同学年や5年生と共に阻止していたがあいつはすごく面白い奴だと思った。
忍術としては全然未熟だが、暗殺者としてはかなりできる奴だったし、暗殺者でありながら後輩を命かけて守ろうとしたり・・・
常に興味の絶えない女だった。
それが、いつの間にか・・・
***
「なぁ、和歌菜を見るとムラムラしないか?」
と、七松は食堂で夕食を取っていた時ふとそんなことを口にしてみた。一緒に夕食を食べていた6年生達が七松の言葉に嫌悪感を見せたり食べていたものを口から噴き出したりしていた。
「食事中に何を言っているんだ。」
「えぇ、みんなしないのか?」
「ムラムラ…はしないけど、可愛いとは思うよ。ねぇ、留三郎」
「えっ…⁉あ、あぁ…」
「…綺麗だとは思う」
「そうだな、もう少し飾ればもっと光ると思う」
と、善法寺伊作に食満留三郎、中在家長治に立花仙蔵は彼の意見に多少は同意したが潮江文次郎だけは別なようだった。
「全くお前達は情けない!!奴は元とはいえ暗殺者だぞ!いつ寝首を掻かれるか分からないんだぞ!もっと緊張感を…」
「文次郎、いつまでもそんなこと言ってるから和歌菜から『潮江さん』としか呼ばれないんだぞ。お前くらいだぞ、生徒で名前呼び認定されてないの。」
と、立花が夕食後の茶を飲みながら冷たく潮江に言うと潮江は少しグッと反応したがすぐにフンッ!とそっぽを向いてしまった。