第1章 伏黒恵
私は今まで生きてきて呪術が使えるなんて知らなかった。
それもそのはずだ
親は普通の一般人、家系も普通
ただ、昔から私だけ"見えた"
中学3年の夏
受験生の私はどこの高校に進学するか迷っていた。
普通に公立の学校に行ってバイトして…
そう、漠然と考えていた。
そんなある日
『またか…』
?「***」
周りの人には見えていないらしい"それ"はよくわからない言葉を発しながらこちらを見ている。
『あ…』
まずい、目が合ってしまった
こちらに近づいてきた。
そのとき
脳内に全く知らない映像が流れてきた。
~脳内映像~
?「玉犬」
そう誰かが唱えると陰から黒い犬のような物体が出てきた。
そして、、一瞬でその犬は"それ"を食べてしまった。
……プツン
と、ここで映像は途切れた。
そしてその瞬間
?「玉犬」
さっき見た映像と全く同じ光景が目の前で起こった。
『なに…これ……?』
私はその場で膝から崩れ落ちた。
?「おい、大丈夫か?」