第1章 *出会い-和也side-
それは、ある雨の降る夜のことだった。
PV 撮影が長引いてしまい、帰りが深夜になってしまった。
スタジオの外に出ると雨が地面を強く打ち付けていた。
和也「やっべ…すげぇ雨じゃん」
翔「傘持ってきてねぇよ…走るしかねぇな」
和也「俺、走れっかなぁ…」
翔「ははははっ。そんな運動神経悪かったっけ?笑
じゃぁ俺先行くわ!」
和也「おつかれ!また明日!」
翔さんはよく相談に乗ってくれる。
すごく頼れる人だ。
和也「俺もそろそろ行くか…」
降り止みそうもない雨にため息をついた。
俺は、手で頭をかばいながら自分の車へと走り出した。
和也「すげぇ濡れたじゃん…」
ビショビショの服に煩わしさを覚えながらもなんとかエンジンをかけ車を発進させた。
駐車場から出たときだ。
ふと前を見ると
こんな日に傘も差さずになにしてんだろ?
そこには、びしょ濡れの女の人が俯きながら立っていた。
気味が悪かったが、俺は心配になり話しかけた。
和也「どうかしたんですか?」
?「…」
聞こえてないのかな…
和也「風邪引きますよ!」
すると、呼び掛けに反応したのかゆっくりと俺を見た。
彼女は泣いていた。