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FLYHIGH(ハイキュー)

第5章 VS白鳥沢


「歩ちゃん…ありがとう」

「また泣いてる!」

冴子さんが持ってたタオルでお兄さんの顔をわしゃわしゃと拭く

「たしかに今のは、一本のスパイクをとめることだけ考えてたように見えましたね。ただ純粋に、テストの難問を解くように」

やっちゃんが言う







3セット目が始まる


私が昨日撥ねた向こうのセッター

崩れるかと思ったら全然

むしろ研ぎ澄まされて集中力が上がってきてる

逆に烏野は一気に押したい気持ちからサーブミスが目立つ

ツッキー、冷静にみんなを導いてあげて

祈るように手を合わせる


それでもキレイなトスアップから繰り出される

ウシワカの大砲は止まらない

なんやったら空中で止まってるんちゃうっていうぐらい美しいスパイクモーション

絵に描いて額に入れて部屋に飾りたいぐらい…

すごいなぁ…これが白鳥沢かぁ

第3セットを落とし、いよいよ後がない

しかもここから先は烏野にとっては未知の領域

いつものペース配分じゃあと2セット戦うのは苦しい



4セット目が始まる


ノヤさんは反応が早くなってボールかなり上がるようになってきた

それも、ツッキーがうまくコースを絞って打たせてるからって気がする…

中盤までは取りつ取られつでハラハラする展開が続く


影山くんのトスがあがり、みんなが一斉に走り出す


「シンクロ攻撃!!!」


やっちゃんが言う



ダンッ



ボールは烏野コートに落ちる


!!


「シンクロ攻撃が止められた…」


観客席が静まり返る

絶望が烏野サイドに広がる


何とか食らいついて点差が開かないように必死な様子がこちらまで伝わり、力が入る

ツッキーがブロックに跳ぶもウシワカのスパイクは烏野コートに突き刺さる



明らかに悔しそうなツッキー

止められなくて当たり前…

そんな風に諦める彼はもういない

「月島くん、イライラしてるのはよく見るけど悔しそうなの新鮮だね」

やっちゃんが言う

「うん」

「歩ちゃんの想いが通じたね」

「え?」

「歩ちゃん、東京合宿の帰りのバスで言ってたよね、月島くんにチームのために心の底から変わって欲しいって」

「言うたかな」

「言ってたよ!本当に月島くん、変わったね」

「…そやな」


危うく惚れてしまうほどに
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