第4章 代表決定戦
「俺さ、最後に交代して出てきた時、歩ちゃんが名前呼んでくれたの、すごい嬉しかったよ」
「聞こえてました?」
「うん、明日も…ちゃんと見ててね」
「はい」
バスが学校に到着し、みんなでゾロゾロと降りる
校舎の前に差し掛かると、女バレの3年生の先輩たちが走ってきて、大地さんに声をかける
道宮先輩…きっと大地さんのこと好きなんやな
校舎から沢山の生徒が声をかけてくれる
なんせ宮城県代表決定戦の決勝に残ったわけやから
クラスメイトも手を振ってくれてる
体育館でミーティングをして、帰ろうとすると
翔陽と影山くんはまだ練習しようとしてた
「まだ、やるん?」
「おう、歩、谷地さんボールあげてくれよ」
2人でボール出しを手伝っていると
「なんか…思い出すね、ここで日向と影山くんが喧嘩してたの」
「それな、殴り合いして絆創膏貼ったな」
「そうだっけ?」
「そうだっけ、じゃないよ!日向が影山くんに掴みかかって、影山くんが日向ぶん投げて!ほんと怖かったんだから!」
やっちゃんが熱弁する
「でもほんと2人には感謝してる、2人がいなかったら新速攻完成してなかったと思う」
「私は翔陽には何もしてへんし、お礼はやっちゃんに言うて」
「谷地さん本当にありがとう」
その様子をニヤニヤしながら見守る
「村人Bでも役に立てたかな?」
「おう、谷地さんは東北一の村人Bだよ!」
「それ褒め言葉なん?!翔陽、私は私は?」
「お前絶対村人Bじゃなかっただろ!」
「んー、小6ん時はベルやったな」
「ベルって何だ?」
「美女と野獣の美女のことでは?」
やっちゃんが翔陽に言う
「じゃあ歩は関西一の美女だな!」
「待って、一周回ってイジられてるようにしか聞こえん」
4人で爆笑する
「私…烏野でマネージャーなってほんま良かった」
「うん、私も!今日の試合もマネージャーにならなかったら、ドキドキしたり嬉しかったり、こんな気持ち知らなかった、本当にありがとう」
「なに、2人とも卒業すんの?!」
「せーへんわ!」
「明日も勝って…絶対みんなで全国行こう」
潔子さんに早く帰るように促され、体育館を後にする
明日はいよいよ決勝戦