第4章 代表決定戦
「そういえば…山口くんだけやなくて、みんなちょっとピリついてますね」
「IHの時は全力を出し切って、青城に負けたからね」
「宿敵ってやつですね…でもそれから烏野は進化してますから絶対勝ちます」
「うん、そうだね」
みんな思い思いにアップを始める
私とやっちゃんはボール出しをする
青城のベンチの方まで飛んでいったボールを取りに向かう
「あ…」
「橘さん…」
ベンチで汗を拭く国見くん
「タオル使ってくれてんの?ありがとう」
「これ昨日も使って勝ったからゲン担ぎ的な感じで」
「わざわざ自分で乾燥機回したんだよな」
「うるせぇ金田一」
「それは嬉しいけど、負けへんで」
ボールを持って烏野コートに戻る途中
わざとやっちゃんの方にボールを転がすロバートデニーロ…
いや、矢巾さんを見かけた
あの人、まじチャラいな〜
そこに豪速球が飛んでくる
「やっちゃん危な…!
パーン!!
潔子さんが飛んできたボールを止める
「おつよい…」
ボールを返された矢巾さんとすれ違う
「ドンマイ、デニーロ」
「うるさいっ及川さんの彼女!」
「ちゃうから!」
「歩ちゃんって青城の知り合い多いの?」
やっちゃんが不思議そうに訊く
「いや…そういうわけではないねんけど…さぁ、2階上がろか」
2階に上がってコートを覗き込む
烏野も青城もさっきまでの雰囲気とは打って変わって真面目な様子
その中でも…
サーブの準備をする及川さんに釘付けになる
及川さんのあんな顔初めて見た
ゾクゾクっと鳥肌が立つ
ドーン!!
っとすごい音がしてサーブが打たれるが、大地さんが拾う
強烈なボールはそのまま相手コートに返って、叩き降ろされたボールを影山くんがレシーブする
「ナイスレシーブ!」
でも影山くんがファーストタッチか
と思いきやノヤさんがオーバーハンドでトスを上げ
東峰さんのスパイクが決まる
「うわぁぁぁぁ!」
決めた本人たちが一番驚いてる
ノヤさん毎日オーバーハンド練習してたもんな
すごいなぁ…
みんなすごいなぁ