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FLYHIGH(ハイキュー)

第3章 春高予選


俺は2人分の飲み物を注文し、カフェオレを彼女に手渡す

「ありがとうございます」

彼女がカフェオレを受け取り、俺はコーヒーを持ちながら自転車を押して歩き出す

「で、さっきの話の続きだけど…告白もしてないのに失恋したって言って他校の体育館裏で泣いてたの?」

「チームのために良かれと思ってしたことを誤解されて、中途半端な気持ちなら、うちのバレー部にはいらない。及川さんの連絡先でも聞いて帰れば?って言われました。でも…誤解じゃないこともあったりして、自分でも情けなくて」

何かよく分からないけど

それって失恋なの?

トビオちゃんが勘違いしてヤキモチ妬いて

拗ねてるだけじゃないの?


「ふーん、で、勝手にフラれたと思って泣いてたわけ?」

「うちのバレー部にはいらない、ですよ?友達以下じゃないですか?」

「ま、いずれにしろ他校に女の子放って帰るようなヤツはやめときなよ」

「大丈夫です、もう影山くんのことはフッきれてるんで」

「じゃあ、トビオちゃんの言う通り俺の連絡先でも聞いとく?」

「結構です」

「本当辛辣だよね、俺そんなに遊び人に見える?」

「…見えないです。むしろ真面目な人なんじゃないですか?」

「え…そう思う?」

「私が及川さんのプレー見た時、あ、スパイに行った時ね」

「自分で言うんだ」

「努力して努力して磨き上げられたプレーやって思いました。あんなん真面目やなかったら出来ません」

「褒められたら照れるじゃん」

努めて軽く答える

「普通にしてたらめちゃくちゃカッコいいのに、チャラチャラしてるフリしてたら勿体ないですよ」


この短期間で好きでもない俺のこと

どんなに見てるわけ?

こわいよ

そりゃ烏野のみんな勘違いするだろ


「歩ちゃんが彼女になってくれたら、チャラチャラするの辞める」

「ほらまたすぐそういうこと言う」

「真剣に言ってる」

「真剣って…会ったばっかりですよ?それに…私は及川さんがどんな人か全然知りません」

「これから知ったらいいじゃん」

「とりあえず春高終わるまでは、恋愛にうつつ抜かすのはやめようと思ってるんで」

「じゃあさ…春高俺らが全国行ったら、そん時は真剣に考えてくれる?」

「…いいですよ、行かせませんけどね」

そう言って歩ちゃんは俺から自転車を取り返す
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