第15章 BOOST
「この写真の破壊力がやばすぎて」
蛍には内緒と言われて1分も経たないうちに、母親と彼女の間で写真をやりとりしていたことがバレた
「…なにその写真」
「お母さんが一番好きな2人の写真やって」
そう言って私はベッドにもたれるようにしながら床に座る
そして手に持った写真を改めてゆっくり眺めながら、穢れなき天使たちを愛でていた
「ねぇ」
「ん?」
「本人ここにいるんだけど?」
そう言って蛍は私の手から写真をとりあげ、ずいと不機嫌そうな顔を近づけてくる
「なに?3歳の自分にヤキモチ妬いてんの?」
揶揄うように言うと
「かもね。今の僕じゃだめ?」
なんて、どこで覚えたのか艶っぽい言い方をしながら、蛍の唇が近づいてくる
チュ…
ああ…3歳の蛍も可愛くて天使すぎて尊いけど、やっぱり私は…
「今の、17歳の蛍が1番好き。お誕生日おめでとう」
そう言って口づけを返した
蛍は満足そうに微笑み、更に深く唇を重ねる
チュ…クチュ…
頭がふわふわして何も考えられない
蛍でいっぱいになる
大好き
気持ちが溢れて、両手で蛍を抱きしめると
蛍もその上からギュウと抱きしめてくれる
甘い甘い時間が流れる
蛍は私の肩に顔を埋めて、さぞや甘い言葉を囁くのだろうと思ったのに…
「…むかつく」
何故か蛍はそう言い放った