第14章 NEXT LEVEL
「そっか…でも羨ましいな」
「羨ましい?」
「だって歩ちゃん、完璧だもん…美人だし、自然に男子とも話せて、面白いし」
「私なんかおもろいことした?」
「うん、やっちゃんに借りた歩ちゃん語録すごく面白かった」
どうやらやっちゃんはバレー用語やルールをメモしたノートと共に私の発言を書き記した歩語録も一緒に渡していたらしい
「りなちゃん、オモロくなりたいん?」
「そうだね、だって孤爪さんって面白い人が好きなんだよね?」
「研磨さんが言う面白いってゆーのは、そういう意味ではない気もするけど…でもまぁクリアされたら、追加コンテンツぶっ込んでいけばいいだけやからな!大丈夫!」
「追加コンテンツとは!」
「出た!歩語録!」
3人で顔を見合わせて笑う
「そう言えばやっちゃんは山口くんとどうなん?」
「なっ、わたっ!何で急に私に!!?!」
「なになに?やっちゃんの好きな人も烏野バレー部なの?」
「そうそう、山口くんって言って…」
「まだ好きな人とかそういうのでは!!!!」
「12番の人だよね?」
「お、りなちゃんよく知ってるな」
「歩ちゃんの彼氏さんに言われたんだ、歩ちゃんは相手チームの選手やポジションちゃんと覚えてるって」
「アイツそんなうざいこと言ってたん?」
「うざくないよ、本当のことだもんね。コートの外からしか見えない情報があって、それを伝えるのもマネージャーの仕事だと思うから」
そう言ってりなちゃんは私たちから借りたノートを返してくれた
「ちなみに歩ちゃんの彼氏さんは月島蛍くん、11番MB…うちで言うと灰羽くんと同じポジションだね」
「凄い!ちゃんと勉強してる!」
恋バナに部活に、他校の生徒も混じって夜にこんな話をするなんて本当青春ドラマみたいだな
ふとそんな思いが込み上げ、思わず笑みが溢れた