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FLYHIGH(ハイキュー)

第12章 移ろう季節


ー歩side

無自覚隙だらけ

蛍には付き合う前から何回も言われてるし、自分でも否定はできひん

実際八方美人なとこがあるのも事実やし…



それでもギュウって抱きしめられたり

『僕のものだから』って言われたりして

こんなに嬉しいのはやっぱり蛍だけ




蛍は水道の蛇口を捻って水を止めると、持っていたタオルで私の手を拭き、温かい手で包み込んでくれた

「戻ろうか」

さっきまでのハグとかキスとか、何でもなかったように蛍が歩き出す

蛍はクールやしいつも余裕って感じやけど、それでも私の気持ちはちゃんと知っていてほしいから


「うん…あのさ蛍」

「なに?」

「私が好きなんは蛍だけやから」


そう言うと蛍は


「知ってる」


とぶっきらぼうに言い放った


…でもそれが照れ隠しやって言うことは、繋いだ手をギュッと強く握ってくれたことで分かった


私もその手を強く握り返して、体育館までの道を歩いた


「蛍、さすがに手繋いだまま、体育館戻んのはちょっと」

「…まぁそうだね」


私たちは入る寸前で手を離し、体育館のフロアに通じる扉を開ける


と、一斉に選手たちがこっちを向く



「日向から聞いたぞ!おめでとう!春高ん時月島大活躍だったもんな、そりゃ歩も惚れるな」

コガネが走りながら近寄ってきて、私たちの交際を祝福してくれる

「俺は2人が付き合ってくれて嬉しいけど、そうじゃないやつもいるからな…月島今日気をつけろよ」

「…気をつけるって何に?」

って言っていた蛍だったが、蓋を開けてみれば

練習試合中、永遠とスパイクで狙い撃ちにされていた



「…ちょ、何でさっきから後ろにいても僕ばっか狙ってくんのさ!」

「当たり前だ月島ゴルァ!俺らのアイドル独り占めしやがって!これでもくらいやがれ!!!」

「そーだそーだ!後衛下がっても油断すんなよ!狙い撃ちにしてやる!」

とボールで集中砲火されていた


そしてその様子を見ていた翔陽が

「サーブ狙われるの羨ましいぜ…」

と、変態発言をしていた
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