第3章 春高予選
家に帰ってシャワーを浴びる
土曜日ということもあって、中2と中1の2人の妹も家にいる
「お姉どっか行くん?こんな時間にシャワーて」
「あ、え、うん。祭りに」
「祭り?どこで?」
「仙台」
「仙台まで祭りに?え、てか浴衣置いてあるやん。浴衣着るん?」
「え、浴衣?!お姉デートちゃうん?!」
妹たちが騒ぎ出す
「母ちゃーん!お姉が浴衣着てデートやて!」
「ちょ、やめんか!」
「てかお姉彼氏おったん?」
「あれちゃうん?いつも一緒に帰ってくるオレンジの毛の」
「あー、私らと同じくらいの背の」
「翔陽はちゃうて!家が同じ方向やから」
「は、てことはおるんやな」
「ちゃうからほんま、ただの部活の先輩やし」
「はーん?部活の先輩とマネージャーの後輩とか、お姉やるな〜」
「侑ん時もそやったもんな」
「もう、侑とか今ええから!」
「男と2人で祭り行くの母ちゃんに黙ってたるから、絶対写真送ってや」
「分かった分かった、ほんまあんたらいつの間に色気付いてかなんわ」
「色気づいてんのはお姉やんな」
私は浴衣用の下着をつけて、着付け始めた
ースガさん家この辺かな?
近くまで来ました
連絡すると、Tシャツ姿のスガさんが迎えに出てきてくれる
「ごめんね、わざわざ来てもらって」
「いえいえ…何でずっと左向いてるんですか?」
「いや…浴衣姿が眩しすぎて直視できない」
「何言うてるんですか、てか失敗しました!髪の毛切らんかったら良かったです!なんか浴衣でショートおかしないですか?」
「ぜんっぜん、おかしくないよ。むしろアップなんかされてたら、俺出かけられなかった可能性あるし」
「ははは、何ですかそれ」
「とりあえず中入って」
スガさんの自宅に案内される
「お邪魔しまーす」
「あらやだ、はじめまして、こんな美人のお嬢さんが孝支の彼女だなんて」
「いやっそのっ」
「母さん、彼女じゃないから。バレー部の後輩だから」
「ふふふ、ごゆっくり〜」
「出かけるからゆっくりしないし!」
スガさんは普段みんなのお母さんやのに、スガさんにリアルお母さんがいるのが面白い
お母さんの前では普通の高校生なんやな〜
部屋に入る
「ごめんね、母さんが」
「いえいえ、お母さんのお母さんに会えて良かったです」