第7章 選抜合宿
ー月島side
本当意味がわからない
猪突猛進バカ
そんでそれについてきた歩
何がどうなってんの?
「練習止めてすみませんっしたーーー!日向翔陽、ポジションボール拾い!おねがいしぁぁぁーーす!」
再び日向が体育館に入ってきて叫ぶ
帰ったんじゃないの?
どういうこと
ボール拾いで参加するってわけ?
今日1日僕たちが練習している間、日向のやつ本当にボール拾いだけしてたんだけど…
で、歩も何やらテキパキ働いてるし…
てか2人とも白鳥沢のサポート選手と昔からのチームメイトみたいに仲良くなってるの本当怖い
何なのあのコミュ力モンスターたち
「つ、つきしまさん」
神妙な面持ちの日向が近づいてくる
「なに?」
「ご…ごめいわく…
「謝んのとかやめてくれる?君の猪突猛進バカは今に始まったことじゃない」
「ぐぬぬ」
「ろくにボールに触れなくて悔しい?自業自得だよね、やっぱやめるって泣きついてみる?春高前の貴重な5日間棒に振らないように、せいぜいボール拾いがんばってよ」
「ちょ、コラコラ!何こんなとこまで来てイジワルしてんの!」
歩が間に割って入る
「チクショーーー!」
図星を突かれた日向は奇声をあげて走り去っていった
「で、歩まで何やってんの?」
「私は烏養コーチに翔陽見張っとけって言われたから」
「そ、じゃあ合宿の間ずっといるの?」
「うん」
へー、そうなんだ
それは悪くないかも
「さ、僕たちは王様と違って公欠にならないから明日も学校あるし、さっさと帰るよ」
「あ、うん」
走り去って行った日向は放っておいて
2人で帰路に着く
バスと電車を乗り継ぐ帰り道
2人で一緒に通学してるみたいだ
「ほんとびっくりした」
「でもツッキー、コミュ障やから私らが来てよかったやろ?」
「どんだけポジティブなの?君たちのコミュ力、化物すぎでしょ」
「白鳥沢の子ら、みんなめっちゃええ子やったわ!」
「でも…そんなこと言っていつもみたいに隙だらけになってちゃだめだよ」
「なってないし!あと、ツッキー翔陽にあんまりイジワルしんといてあげて」
「何で?」
「あの子鷲匠先生に影山くんのおらん翔陽には価値を感じひんって言われたんよ…凹んでると思うわ」