第6章 日常
ー歩side
「歩、で、ビリギャルはどうなの?慶応いけそう?」
「慶応は無理やけど、まぁ赤点は大丈夫ちゃうかな」
「ねぇ、最近昼休みずっといないけど、もしかして影山にずっと勉強教えてたの?」
クラスの友達と話していると、ツッキーが話しかけてくる
ツッキーとはあの日からほとんど2人で話してない
「そやで」
「何で君がそこまでする必要があるわけ?」
「何でって別にええやん」
だって教室にいたらツッキーがいるやん
なるべく考えたくないんやもん
私たちの険悪な雰囲気を悟った友達が席を外し、その席にツッキーが座る
「影山と2人きりでって、もしかしてまだ好きだったの?」
「違うし…てか自分だって元カノと2人きりやったやん!そんな人に何も言われたくないんやけど」
「それは…」
「しかも彼女?て聞かれて電光石火で否定するし、いやまぁ彼女じゃないから本当のことやけど、ほんで私が出て行っても追いかけてもこんと、生徒会のプリントかなんか知らんけど、嬉しがって手伝ってたんやろ」
早口で捲し立てて、教室から出て行く
なんやねんほんま
腹立つわ
チラッとスマホを見ると新着メッセージがある
中庭に出てメッセージを開くとアラン君からやった
"稲荷崎、兵庫県代表なったで
そっちもなんやろ?
歩が行った高校
強かったんやな〜
もしかして当たったりするかな?
年末帰ってくる時また連絡してや"
そっかー、稲荷崎も全国かぁ
あのメンバーと…このメンバーが会うたら…
うわ、ややこしい予感しかせーへん
"アラン君久しぶり
代表おめでと〜
今の烏野は強いで!
戦になったら容赦せーへんで
年末は多分29に帰るかな?
また連絡します"
アラン君に返信をして、ふと立ち止まる
年末、帰ったら侑と会うんやろか…
結局ちゃんと話さへんまま、逃げるみたいに転校したし、たまに来てた連絡も全然返さへんかった
もし会うたら気まずいな
治とは普通に連絡とってんのに、明らかに避けてんのバレバレやもんな
まぁでも悪いのはアイツやし…