第1章 出会い
ー月島side
雨が降る6月
朝のHR
見慣れない女子生徒
「みんな、兵庫県から転校してきた橘 歩さんです。お父さんの仕事の都合でこちらに来られたようです、仲良くしてあげてください、自己紹介どうぞ」
先生が紹介する
彼女は色白で
スラっと背が高くて
あ、わりとタイプ…
「兵庫の稲荷崎高校から来ました橘 歩です!こんな期末テスト寸前の6月に転校生てなんやねんて感じやと思いますけど、私もそう思ってます。仲良くしてください」
クラスがどっと沸く
見た目と話し方のギャップありすぎ
すごい関西弁だし早口だし
声大きいし…
圧が…
それが彼女の第一印象
「本当歩って面白いよね」
「ありがとう」
「芸人になれるよ、何でそんなに面白いの?」
「尼崎出身やから、ダウンタウンのDNAが流れてるし、毎週吉本新喜劇で英才教育されてるから関西人はみんなこんなんやで」
「みんな歩みたいってこと?ヤバくない?」
「私、中学ん時からずっと男バレのマネやっててんけど、二個上にアラン君てゆー先輩がおってん。ツッコミのキレ半端ないから、ほんまみんな会うてほしいわ」
彼女のコミュ力は凄まじく、1週間が経つ頃には最早、僕よりクラスに馴染んでいた。
てか、男バレのマネージャーしてたんだ
「あ、そや!月島君!」
「なに?」
「さっき男バレの女神に声かけられてん」
「なにそれ?」
「3年のめちゃくちゃ美人のメガネのお姉さん」
「ああ、清水さん」
「清水さんて言うの?女神降臨したんかと思ったわ」
「で、何の用だったわけ?」
「誰かから私が男バレのマネやってたって聞いたみたいで、入部せーへんか?って」
「そりゃあんなにデカい声で騒いでたら聞こえるでしょ」
「3年の教室まで聞こえてへんわ」
「で、どうするの?」
「とりあえず今日の放課後1回見学さしてもらう」
「あっそ…それより何で僕がバレー部だって知ってるの?」
「勘」
「は?」
「その身長でバレーかバスケやってへんたら、ツッコミどころ満載やん」
「偏見」
「冗談やって。こないだ排球部のジャージ着てるとこ見たから。ほな今日の放課後見学しにいくから」
「ご勝手に。騒ぎすぎて邪魔しないでね」