第3章 暇を持て余したスタンド使いの遊び①【承・花・ポル】
「じゃあ、次は私が行くわね。ソードマゼンダ!」
私はソードマゼンダを呼ぶと、勢いよく風を巻き起す。
「悪いけど、この勝負!私がもらったわ!」
そう言って、風を起こしながら空に飛び上がった。
風を操るソードマゼンダにとっては、私を連れて飛ぶなんて造作もないこと。
とりあえず花京院の記録を抜こうと、できるだけ高く飛んでいった。
「生き生きとしてやがんの。」
「ええ。ストールがひらひら舞って、天使のようですね。」
「お前、意外とそういう事平気で言うよな。」
「おい見ろ。花京院の記録を超えたぜ。」
ポルナレフと花京院が見上げると、アンナはもう殆ど見えない距離にいた。
「ふぅ。いい風が吹いてるわね。」
地面に近いところにいると、焦げてしまいそうな暑さだけど、空は風が吹いていて気持ちがいい。
花京院の言ったとおり、見渡す限りどこまでも砂漠が広がっている。
空と砂漠しか見えない景色は、いつまでも眺めていたいほど美しかった。
「さて、花京院の記録も超えたし、そろそろ降りないと。」
私はハイエロファントグリーンを握って合図すると、地上に戻った。
「なげーこと飛んでたな!」
「ちょっと、景色を楽しんでたの。あ、ポルナレフは見てないか。」
「うっせー!」
「記録は100メートルです。」
「やったー!」
アンナ:記録100メートル
「コレで勝ったも同然!さ、最後は承太郎…。」
そこまで言って思い出した。
大変負けず嫌いで、とんでもなく強いスタンドを持っている彼のことを。
「おい、アンナ。誰が優勝するって?」
あ、ヤバい…。
承太郎がマジのときの目をしてる。
「勝つのは…、俺のスタンドだ!!!」
そう言ってスタープラチナに自分を投げさせた承太郎は、空高く飛んでいった。
「嘘だろ承太郎!」
「着地はどうするのよ!着地は!」
その後、大気圏ギリギリまで飛んでいったらしい承太郎が見事優勝することになる。
えげつないスピードで降りてきた承太郎は、ソードマゼンダの風でなんとか受け止めることに成功した。
「人に尻拭いさせるような飛び方はダメでしょ!」
「地球は青かったぜ。」
承太郎:記録(ハイエロファントグリーンの範囲外のため)測定不能
勝者―承太郎