第3章 暇を持て余したスタンド使いの遊び①【承・花・ポル】
「まずは僕からだ。いくぞ、ハイエロファントグリーン!」
ハイエロファントグリーンは触脚を伸ばすと、花京院の体に巻き付けた。
そしてそのまま、投げ縄の要領で花京院の体を空高く放り投げた。
ここは、砂漠のど真ん中。
昼食がてら休憩をしていたはずなんだけど。
ポルナレフの発案で、スタンドを使って誰が一番空高く飛べるかを競争することになったのだ。
この手の発案は大抵花京院が却下するのだが、今回は珍しく承太郎がノッてきたことにより決行。そして、冒頭に至る。
また、砂ばかりの景色に飽きてきたところだったから、ちょうどいい刺激になったことは確かだ。
「花京院のやつ、あんなに小さくなってらぁ。」
「ほんとだ。何メートルまで言ったんだろう。」
見上げると、花京院はかろうじて人だと認識できるほどの大きさになっている。
そして、ものすごいスピードで地面の方へと落下してきた。
フワッとハイエロファントグリーンの触脚が網目状に伸びて、花京院を受け止める。
「すごーい!見えないほど小さくなっていたわ!」
「景色は砂漠しか見えなくて、残念だったけどね。ざっと80メートルほどはいったんじゃあないかな。」
花京院:記録80メートル
花京院の足元から空に向かって、ハイエロファントグリーンの触脚が伸びている。
「なるほど、この触脚を記録の基準にすればいいのね?」
「ええ。みんなも、触脚を持ったまま飛んでくれ。距離は足りると思う。」
「よーし、そんじゃあ次は俺とチャリオッツが行くぜ!」
そういうと、チャリオッツを取り出した。
そして、背面跳びをして宙に飛び上がったポルナレフをチャリオッツが支える。
それは、どこかで見たことがある光景だった。
「…ポルナレフ。まさかと思うが、何の考えもなしにこの勝負を持ちかけたのか?」
「アハハハ!自分で飛んだほうが良い記録でそうよ。」
「うるせー!花京院がまさかそんなに飛べるとは思わなかったんだよ!」
私達は真っ赤になって怒るポルナレフを見て、さらに笑った。
ポルナレフ:1.3メートル