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【ジョジョ】タロット~剣の暗示を持つもの~番外編

第6章 ポルナレフ美容室【ポルナレフ】


彼が慣れた手付きなのは、きっと妹さんの髪もセットしてあげていたからなのだろう。


懐かしんでいるのだろうか、寂しくはないのだろうか。
彼の気持ちと思うとなんだか目頭が熱くなってしまい、思わずポルナレフから目をそらした。

「す、素直な髪の毛でしょ。とかしやすくって。ひいおばあちゃまの髪の毛の遺伝だろうって、おじいちゃんが言ってたわ。」

気まずさをごまかすように一息で言い切ると、ポルナレフが私の頭を軽く撫でた。
その手はすごく温かかった。

「…ああ、中身ももっと素直になれよ。その方がずっといい女になるぜ。さ、できた。ほれ、鏡で自分の顔を見てみな。」

編み込みが入ってふんわりとまとまった髪の毛。
おしゃれに関心がない私が見ても、すごくかわいいと思う。髪型だけで、顔の印象も普段と変わって見えた。
彼の言葉を借りると、まさにトレビアンナ髪型だった。

「これで、髪の毛はバッチリだ。化粧して、服を着てきな。あんまり時間がねぇよ。」

湧き上がる感情が抑えきれず、私は思わずポルナレフに抱きついた。

「ありがとう、ポルナレフ!」
「ハッハッハッ。こりゃ、いいチップもらっちまったな。」

私は大急ぎで、新しく買った黄色のワンピースに着替えた。



おまけ

「アンナの奴、あんな端に座って何をしておるんじゃ。」
「言わないでやってくれ、ジョースターさん。」

この後結局、集合場所へ向かう道中に追手のスタンド使いと遭遇してしまい、花京院に会う頃には髪型もワンピースもグシャグシャになってしまった。
ソードマゼンダでドレスは戻ったものの、髪型は私自身だから直せなかったのだ。

「余計に惨めだから、あんまり見ないで。」
「髪型なんて、何しても変わらねーだろうよ。」
「あー!承太郎もそんな事言うんだ!ほんとにキレイだったのよ!」
「なんだか、魔法が解けたシンデレラみたいですね。」
「花京院、今のが一番傷ついた。やっぱりお洒落なんかしない!」

シンデレラは魔法が解けてしまっても美しさは変わらなかったと、花京院なりに褒めたつもりが完全に裏目に出てしまったようだ。

結局、ジーンズにTシャツが一番落ち着くのだと再確認したアンナであった。
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