第2章 いってきますの〇〇【ポルナレフ】
「それじゃあ行ってくる。」
「留守番、しっかり頼んだぜ!」
ここは、昨夜泊まったホテルの一室。
今日乗る予定の電車まで時間があるので、おじいちゃんとポルナレフは買い出しに、私と承太郎と花京院は留守番をすることになっている。
「ああ。」
「お気をつけて。」
承太郎と花京院はベッドに腰掛けて、見送りをしていた。
私は玄関まで歩いて見送りくると、いつも家でしていたように、いってらっしゃいのキスをする。
「いってらっしゃい。チュッ。チュッ。」
…あれ?今、二人にキスした?
ハッとして前を向くと、目の前にはポルナレフの顔。
そしてすぐに、おじいちゃんだけでなくポルナレフにもキスしてしまったのだと気がついた。
(やってしまった…。)
内心焦りながら、もう一度ポルナレフの顔を見る。
びっくりしたり、調子に乗ったりするのかと思っていたのに、ポルナレフはジッと真顔で私の方を見ていた。
真剣な眼差しに思わず目をそらす。
「な、なんとか言いなさいよ!」
なんとか紡ぎ出された言葉は少し震えていた。
自分からキスしておいて逆恨みも甚だしい。
そんな自覚はあったけれど、からかわれるよりも黙っていられる方が正直つらいのでなんとか口を開かせようと私も必死なのだ。
行き場のない羞恥心をどうにかしようと、恥ずかしさで血が上っている頭をフル回転させた。
さあ問題よ!このキスしてしまった状況をどうやって切り抜けるか?
3択ひとつだけ選びなさい。
答え①キュートな私は突如打開するアイデアがひらめく
答え②仲間が助けに来てくれる
答え③どうにもできない。現実は非情である。
答え②がいい!
そう思ってちらっと顔を上げるけれど、
まわりのみんなも誰一人て口を開こうとしないし、動こうともしない。
こんなとき真っ先に軽口を叩くはずのポルナレフさえ、微動だにしない。
答えー③ 答え③ 答え③