第5章 抱きしめて?と言ってみた【オール】
【承太郎】
「承太郎、ぎゅうして?」
「…?」
「ハグよ!ほら早く!レディーを待たせないで。」
「…はぁ。」
両手を広げて催促するアンナに、観念したようにため息をつく。
ひょいと持ち上げると、抱っこした。
「じょ、承太郎!?そういうことじゃあないわよ!」
「ほれ、もうすぐ集合の時間だろ?このまま行くぞ。」
「嫌よ!絶対嫌!恥ずかしいから降ろして!」
「ハグを頼んだのはアンナの方だぜ。」
「もう!」
言うことを聞くほど素直じゃないが、無視はできない優しい男。
(諦めて抱っこされてる)
「小さい頃は私がしてあげてたのにね…。いつの間にこんなに大きくなったの?」
「おめーが小さすぎるだけだぜ。」
【ジョセフ】
「おじいちゃん、ギュッてして?」
「…。」
「お、おじいちゃん?」
「こいつは偽物じゃ!本物のアンナが『おじいちゃん大好き!抱きしめて!』なんか言うものか!!」
「大好きとまでは言ってないわよ!素直になってあげたんだから、喜びなさいよ!!」
孫が甘えてくると逆に信じられなくなるおじいちゃん。
「俺、なぁんかジョースターさんがかわいそうになってきたぜ。」
「どっちもどっちだろう…。」
【イギー】
「砂漠の夜は寒いわね。イギーこっちに来て。」
両手を広げると、珍しく素直に飛び込んできた。
「もしかして、少しは心をひらいてくれたの?ねぇ、この際だから撫でてもいい?」
「イギギギギ…!」
「ごめんって!冗談よ!そんな事しないから、思い切り睨まないで。」
利害が一致していれば、たまーに言うことを聞いてくれる。