水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】
第14章 ※郎月
一週間後には元の生活が送れるようになった。
明け方、任務を終えて戻って来た天元があやの部屋に様子を見に行く。
隊服から着流しに着替え、寛いだ表情の天元。寝息を立てているあやの顔を覗き込むと微笑む。頬をそっと撫でるとあやがゆっくり目を開けた。
「・・起こしちまったか?悪ぃ。」
「お帰りなさいませ。天元様。一週間寝たままで申し訳ありませんでした。」
あやは起き上がり、天元の正面に座ると居住まいを正す。
「いいや。元気になって何よりだ。・・どうした?改まって。」
「私のせいで色々とご迷惑をおかけしてすみませんでした。」
三つ指をついて丁寧に頭を下げる。天元が慌てて言う。
「あや、よせ。そんな事すんな。俺が好きでやったんだ。」
「・・・俺の方こそお前にちゃんと言いたいことがある。」
「何でしょう?」
天元はあやの顔を覗き込むと両手を取って笑顔で言う。
「俺の妻になってくれ。・・・・四人目で申し訳ねぇが・・・。」
「・・・いいんですか?お仲間に入れてもらって。」
「あぁ。お前が嫁になってくれると俺は嬉しい。嫁三人も楽しみにしている。」
天元は両手を広げ、「ほら」と言う。あやは少しの間天元を見つめて、急に俯く。膝にポタポタと涙が落ちた。幸せを噛みしめる様にゆっくりと笑顔になり、顔を上げて目を潤ませながらその胸に飛び込んだ。
天元に抱え上げられ抱き締められる。しばらく2人はお互いの肩に顔を付けて「ふふふ」と笑いながら抱きしめ合った。