水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】
第13章 名残の月
あやは口元を両手で覆いながら泣いていた、まだ顔色が悪い。「あや、横になろう」と天元は言い、その体をそっと抱くとあやはまたふっと気を失ってしまった。天元は慌てて屋敷の中へ連れて行く。
天元はあやを寝かせると、離れたところで待機していた三人の嫁を呼び、あやと対面させる。
三人とも懐かしいあやを見て泣いていた。須磨はもうずっとあやに抱き付いて泣いている。
ふと、あやがゆっくり目を開けた。三人の顔と天元の顔を代わる代わる見ると嬉しそうに笑った。須磨の頬に指を伸ばし、「大丈夫。泣かないで。」と言うとまた目を閉じてすうすうと眠りについた。
あやはそれから3日間ただひたすら眠った。強い毒だったのだろう。体から抜け切るのに時間がかかっているようだった。
天元は時間の許す限り、あやの傍に行き、添い寝をしながら寝ているあやの頭を撫でた。
4日目あたりから起きていられる時間が増えてきた。様子を見に来た須磨達や、天元とぽつりぽつりと話をする。会えなかった時間を埋める様にたくさんの話をした。