水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】
第11章 ※天元か天空か
あやは話を聞きながら天空の命に対しての頓着が無い感じが不思議で仕方なかった。人の命だけでなく、自分の命にも特に執着が無く、多分本当に私が殺そうとするなら受け入れる様に感じる。あやは会話の合間に様々なところに口づけをされるのを遮って尋ねてみる。
「・・・天空様。」
「どうした?」
「天空様は・・・・死にたいのですか?」
「・・・・別に?」
「では、生きたいのですか?」
「・・・別に?・・・今は親父に言われたことをやるだけだ。親父が死ねば、依頼主から請け負った仕事をこなすだけ。・・忍びとして生まれたのだから自分の意思など持たん。」
「もう俺の子も3人目が生れる。宇髄の血は残る。凡そ俺の役目は終わっている。後はこの体が使い物にならなくなるまで任務をこなすだけだ。」
「・・何か願望は無いのですか?」
「願望?俺に宇髄の家業を守る事以外にどんな願望が持てるんだ?それ以外の願望など持っていると判断を誤る。」
天空はあやの頬に添えた手に少し力を入れて、あやの顔を固定する。しばらく目を合わせると、こつんと自分の額とあやの額を付けて思い出したように言う。
「・・・いや、願望があるぞ。・・あや。・・俺はお前が抱きたい。やっと叶いそうだ。」
そう言うと天空はあやの身体をぎゅっと抱きしめた。
「あぁ、やはりお前を遠くへなんてやらなければ良かった。前はもっと俺の言うことをよく聞いたのに。」