水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】
第10章 天満月
「あや、隊服にすぐ着替えろ。逃げねぇように見張らせてもらうぜ。」
「はい。逃げるつもりはありませんがどうぞ。」
あやは、するりと寝間着を脱ぐ。胸元にはサラシが巻いてありその上に鎖帷子、腰には腰巻がしてあった。別に見られて困る状態はないので、天元の前で堂々と隊服に着替える。天元も鼠を使ってあやの屋敷の庭まで持ってこさせた隊服と日輪刀を装備する。
着替え終わると、「行くぞ。」と任務地に向かって走り始める。走りながら、「空はなんて?」と聞いてきた。
「・・・一旦、里に戻ると。」(まぁ嘘ではない。)
「ふーん。また来る気かよ。」(それだけじゃねぇな)
任務地に着き、任務をこなすとすぐ次の任務が要請された。天元は「お前も行くぞ。戦い方をよく見ろ。」とあやに言い、鴉にも「あやも連れて行く。」と伝言を頼んでいた。
次の任務が終わると、今度は遠方の任務がそのまま入り、夜が明けても家に帰ることなく、任務地に向かった。
あやは天元と一緒なのであまり出番はなく、本当にただ見取り稽古の様に天元の戦い方を学びながら付いて回った。
強い血気術を使う鬼の気配の読み方や、地の利を生かした戦い方、忍びの武器を鬼殺に生かす方法なども天元の戦いを見ていると参考になった。
天元も世話を焼くのが好きな性分なのであやに色々と教えてくれた。