水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】
第6章 鬼殺隊員として
天元は家に戻りながら考えていた。
・・煉獄、俺はいくつか嘘をついた。
あやを殺すのは煉獄ではなく俺だ。
そして、あやには俺の暗殺命令だけでなく、嫁の暗殺もあるはずだ。俺は殺されはしないが、嫁の方を先に殺しにいく可能性もある。そうなると3人ともおそらく勝てない。嫁に死なれては困る・・・何よりあやに須磨を殺させることはしたくない。
・・俺だってあやを殺したくはないが、やむを得ないなら俺の手でだ。
後・・・親父の気は長くない。暗殺命令はそう遠くはないだろう。
そして、親父か天空かわからないが、あやを煉獄家に修行に出したのは悪手だった。他の柱なら利用して終わりだったろうが・・・。預けた相手が悪い。
確かに柱の下だと俺からは手を出しにくいが、あの、忍びとは正反対の男に預けてしまったなら、素直なあやは、きっと気付いたはずだ。駒ではなく人として生きる心地よさに。
里の生活はおかしかった。
自分の価値は低くない・・と。
俺はあやの泣いた顔や落胆した顔は毎日のように見ていたが、可愛く笑う顔なんて見たのは数えるほどしかない。
もしかしたら、自分の運命は自分で変えることができるという事まで状況の理解が進んでいるとありがたい。
あとは、宇髄の為という洗脳をどれだけ早く解くか・・・・。
どちらにしても、できるだけ時間が欲しい。と。