水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】
第4章 目標
試験に合格したことを煉獄家の方に報告する。
槇寿郎様こそ、さほど興味が無さそうな返答だったが、お屋敷でお世話になっているので、きちんとお礼を言う。
杏寿郎殿と千寿郎殿はとても喜んでくれた。
そして改めて、杏寿郎殿が私を稽古場に呼び、向かい合って座って話を始めた。
「さて、あや。選別試験を突破したことは最初の目標だったので、達成できたことを俺は嬉しく思うし、君の努力の賜物だ。自信を持っていい。」
穏やかな笑顔で諭すように言う。
そして私も笑顔で「はい。ありがとうございます。」と、答える。
杏寿郎は息を一つ短く吐いて続ける。
「では、あや、次の目標をどうする?ここからが本番だ。」
笑顔だが、急にぴんと空気が張り詰める。
私は選別の後は任務を受けながら天元様を探る事しか考えてなかったので、言葉に詰まる。
「・・・急に言われても困るか?では、俺の目標を言おう。俺は父の跡を継いで炎柱になり、多くの人の命や生活を守りたい。そして鬼の始祖を倒したいと思っている。」
「これでは、大きすぎる目標だから、まずは階級を上げて柱になる条件を満たす。階級を上げる為には課された任務は必ず遂行したい。」
「任務を遂行するには、日々の努力で底力を引き上げるしかない。まぁ・・いつもやっていることと変わらんがな。」
そう言うと「わははは」と笑う。
(鬼殺隊でしたいこと。・・・・鬼の始祖の事は正直どうでもいい。階級も・・・どうでもいいが、天元様に会うのに必要ならば上げたい。)
(・・・・人の命と生活・・・・人の命を奪うことしかなかった私に、守ることができるのだろうか?・・・でも、できるならやりたい。)