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水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】

第2章 師との出会い



次の日、東京へ向かう道すがら案内役の忍びに任務の詳しい内容を聞かされる。
今回の任務は、天元の居住地の特定、鬼殺隊での任務の詳しい内容と動向、可能であれば里へ戻る説得。等が主なもので、天元に子がいれば子の誘拐、やはり、出方次第では暗殺命令も出る可能性があるとのことだった。暗殺の場合はあやでは無理なので天空が来るらしい。

鬼狩りについても説明を受ける。通常は「育手」と呼ばれる人に弟子入りし、技を伝授してもらう。鬼を狩る技を身に付けてから特別な刀を借りて試験に臨み、突破してから晴れて「鬼殺隊」と呼ばれる鬼狩りになれること。
今回は、「育手」ではなく、伝手を辿って、直接鬼殺隊の「柱」と呼ばれる幹部の所に住み込みで弟子入りできること。
伝手というのは、鬼に目の前で家族を殺され、記憶が無くなってしまった剣術道場の娘と入れ替わること。里の忍びが任務の際にその殺された道場主と知り合いになっていて、情報が入ったらしい。
その娘と私の雰囲気が似ているということで髪型はその娘に合わせて切った。偶然にも娘の名前も「あや」であった。本物のその娘はどうせ記憶が無いということで里で暮らすそうだ。

そして、もし、任務の内容や素性が知られそうになったときは姿を隠すか、できそうにない時は死を選べということ。


ほぼ一日かけて移動し、着いた先は東京の駒沢村。
白い塀で囲まれた大きなお屋敷だった。大きな門の表札には「煉獄」の文字。
里の案内人は殺された剣術道場の師範と煉獄槇寿郎の共通の知り合いに私を託して里へ戻った。
私がすり替わっていることは勘付かれておらず、俯きがちなのは辛い体験がそうさせていると思って貰えた。

屋敷には鬼殺隊の柱である槇寿郎様、息子の杏寿郎様と千寿郎様が三人で住んでいた。三人とも所々に赤の入った金色の髪に、赤い瞳、容姿がとてもよく似ていた。
金色の髪の人は里にはおらず、会うのは初めてだった。三人とも、少し癖がある柔らかそうな髪質で、歩いたり相槌を打ったりするたびにふわふわと揺れて綺麗だった。

屋敷の中へ案内され、千寿郎様にお茶を出してもらう。年の頃は7、8歳ほどだろうか。あどけない顔をしているが、話す言葉も所作もとても美しく、育ちの良さが感じられた。千寿郎様が淹れてくれたお茶もとても美味しく、まだ幼いのにお料理も上手であると聞き驚いた。

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