第1章 【1】皆に愛される最年少柱。
あれから結局師範の部屋で説教のような説諭のようなネチネチしたお言葉を沢山貰って1時間が過ぎた。
『〜〜…… いいか?お前は柱になっても俺の大切な子なんだ。俺の屋敷以外有り得ないだろう。』
「は、はい…」
『それとも何だ?俺の屋敷から力ずくで出るつもりか?そんなに俺が嫌なのか?何なんだ??』
「いえ…そういうわけでは、『なら俺の屋敷に居るといい。出たい理由がないならずっと此処に居ろ。分かったか?』
色違いの両目から感じる殺気と威圧感……。
「……はい…」
当分この屋敷にいるんだろうな私……。
『話は終わりだ。今日は俺の寝床で寝るといい。』
「あの…………師範…そうやっていつも言いますけど一人で寝れないんですか?こないだもそう言って一緒に寝たばかりじゃないですか」
『うるさい。俺の継子なら言うことを聞け「私はもう柱です。継子はやめまし」『うるさい』
……。 絶対に部屋に帰して貰えないパターンだ。
師範と一緒の部屋で寝ると鏑丸が入り込んできて擽ったくて起きちゃうのよね…まあそれ以外にも問題はあるけど!!私一応14歳だしそういう時期っていうかなんていうか…。年上の男の人と布団は違うとはいえ一緒の部屋で寝るのは少し恥ずかしい……。
『何をぶつぶつ言っている。早く寝る用意をしないか。』
「は、はぃいぃ!!!」
気付くと布団は2組敷かれていて師範は寝る準備万端だった。
さりげなく布団を敷いてくれる所も優しいのよね……。
なんで皆にはあんな冷たいのかよく分からないけど継子として一緒に過ごせてこういう一面を知れて良かったと思っている。本当はとても優しくてそれなりに人間思いな方なんだよね。
「師範、ありがとうございます。おやすみなさい。」
『何だ。俺は何もしていない。』
「私の為に布団を用意してくれたじゃないですか。さりげなく優しいところもとても素敵です。師範の継子になれて本当に良かった。」
『……なんだ急に。』
「なんもないです!おやすみなさい師範。」
何だか恥ずかしくなって、話を切り上げて眠りについた。