第1章 探偵達の夜想曲1
貴方side
__
安室さんがポアロに入って、数週間が過ぎようとしていた日の事
貴「…よし、出来たと。…梓さん、私帰りますね。良ければ冷蔵庫にスイーツありますので、休憩時間にでも…」
梓「!良いの?!ありがとね、お疲れ様!」
本当は、今日は出勤日ではないが人手が足りず半日のみ手伝いに来た
今は終わりスイーツを箱に入れている
安室「…?…怜花さん、そのケーキはどこに?」
貴「あ、えっと上に居る蘭達にです。いつも食べたいって言ってくれるから持って行くんです」
安室「なるほど……では、僕もお供させて頂いて構いませんか?」
貴「え?」
安室「毛利先生に、サンドイッチをお裾分けに行きたいので」ニコ
★★
私達は、毛利探偵事務所に歩いていく
貴「…」ジッ
安室「…?どうした?」
貴「……本当に、何でも作れますね。サンドイッチ、美味しそう…」
安室「ふふ……勿論、蘭さんとコナン君。後怜花の分も入ってるよ……一緒に食べて行けば良い」
どうやら大量のサンドイッチには、私も入ってるらしい
ガチャ
蘭「仕方ないよ。事件が起きてからまだ1週間しか経ってないし、銀行員の1人が撃たれて亡くなってるらしいし…」
安室さんがドアを開けると、蘭が小五郎さんの隣のソファに後ろから身を乗り出し、小五郎さんの顔を覗き込む
小五郎「たしか、カッコつけて強盗犯に歯向かって、やられちまったんだったか?」
コナン「歯向かったんじゃないと思うよ?銀行にいたお客さんの話だと、両手を挙げて『OK! もうやめてくれ』って犯人をなだめようとしてたみたいだし…」
小五郎「でも逆に犯人の怒りを買って撃たれちまったんじゃ、同じだと思うがなぁ…」
そう言って、小五郎さんがまたタバコを咥える
蘭「……あ」
蘭は、ふと玄関のところを見て私達に気付きサッと体を起こす
安室「…しかし、悪いことはできませんねぇ。強奪した2億円のほとんどは搬入されたばかりの新札で、紙幣の記番号が丸分かりだったんですから」
小五郎「ああ。使うに使えねぇ金を掴まされちまった、その強盗犯が捕まるのも時間の問題……っつか!なんでお前がここに?!怜花ちゃんも、来たなら声掛けろ!」