第2章 陰陽(夏油傑)※

ゆっくりゆっくり私は腰を動かしていた。
『あっ、ああっあっあぁ…んぁ…』
夢実のいやらしい声が部屋の中で響き渡る。
『夏…油さんっ…ぉ願い……』
「なんだい…？」
彼女が話し掛けてきた。
『…っもっと、激しくしてださいッ……』
顔を真っ赤にしながら涙目でそんなことを言ってくる。
私は暫く黙ってしまった。
「夢実…？
　私は優しくしたいからゆっくりしてるんだが…
　激しくしたら壊れてしまうかもしれないよ？」
『大丈夫です…
　夏油さんにめちゃくちゃにされたいんですっ…』
あー、だからどこでそんなことを…
しかし私も男だ。
そんなことを言われ無視できるわけがない。
「…夢実、本当にいいのか？
　歯止めが効かなくなるし途中で止めてあげられないぞ…」
『お願いしますっ…！』
そう言ってキスをしてくる夢実。
私の中で何かがプツンと切れた。

『ひゃああああっ……！』
私はさっきまでゆっくりだった腰の動きを早めた。
そしてさっき以上に奥まで挿入した。
いきなりのことだったからびっくりしたのだろう、夢実はキュウと締め付けすぐ達してしまった。
「凄い締め付け…奥に入れただけでイってしまったのかい…？」
『だっ、て…急に早くするからっ……』
「でも夢実が望んだことだよね？」
『そう、だけどっ…！』
「イったところ悪いけど、私まだイってないから…」
『待っ…！私まだイってる…』
「待たないよ。
　言ったでしょう、止めないって。」
そう言って私は再び腰を激しく動かした。