第1章 Episode:01*
(入りにくいな……)
よりによって、朝から私の話。
しかも悪口。
(貞子ほど…細くないし…)
実は、私は自分の容姿が、すごくコンプレックスだったりする。
この、丸っこい、むちむちした子供体型な身体が昔から大嫌い。
ダイエットしたところで、太りはしないけど痩せもしなくて、体型はそのままなものだから、諦めた。
遺伝だから仕方ない、って。お母さんもそういう感じの人だから。
顔だって特徴がなくて平凡だし、根暗だし、私にいいとこなんて……やばい、自分で言ってて哀しくなってきた。
我ながら卑屈すぎる。
や、だから、そんな、風に……
「?何してるんだ、早く教室に入りなさい」
「あ……はい」
担任に促されて、重い気持ちで扉を開ける。
皆未だに笑ってて、私を見るなり、貞子おはよーって声をかけてきた。
更に大きくなる笑い声。
(……あいさつ、してもらえるのは嬉しい、けど)
そんな、風に。
席に着く。顔を上げられない。
目頭が熱い。転校初日に、同じようなことあったな。
(泣くな私。こんなことで…)
でも。
そんな風に、笑わないで、……ほしい。
「。はよー俺も今来たと、こ……」
ひょいっと覗き込んできた虎杖くんの顔が、一瞬固まったような気がした。
そして――――。
*