第2章 Episode.02
「……好き」
虎杖くんの動きが、止まる。
たった二文字だけ、だけど、口に出してみると、妙にすんなりして。
「虎杖くんが、好きなの」
あぁやっぱり、と思った。
でも、何故だかひどく場違いな言葉のようにも思えて、恥ずかしいのか哀しいのかよく分からなかったけど、泣きそうになった。
いや、もう泣いてる。溢れてくる。
涙も、想いも、止まら、ない。
「好き…虎杖くん、だから。私は、そう…」
「…………」
「虎杖くんが、すき……」
小さな子供みたいに、泣きじゃくりながら押し付けるように告白する私は、さぞ滑稽だろう。
見られたくなくて、両腕で顔を覆う。
こんなコンプレックスの塊みたいな、なんの取り柄もない私に好きだなんて言われても。
全てを、諦めてた、のに。
「、俺のこと好き、なの?」
じんわりと響く低音。
やっぱり、私にはやさしい声に聞こえる。
「もう一回言って、俺のこと、好き?」
「…好き、だよ」
「から言われると思ってなかった…」
「あの…」
*