第6章 Episode:06*
「、め、ん…ごめんね野薔薇ちゃん。私……っ私、嘘ついてたの」
『え……?』
「ペンダント…っ失くしたんじゃ、ないの。私が…私が、弱かったせい、で……!」
『ちょ…、落ち着いて。本当に今どこに居るの?』
電話の向こう側で、珍しく焦ったような野薔薇ちゃんの声の他に、何かを蹴飛ばすような音がした。
それを気にかける余裕もない程に、昂ぶっていく感情を止めることが出来なくて。
次から次へと溢れ出てくる言葉は、泣き声にも似た謝罪の言葉ばかり。
「ごめんなさい、野薔薇ちゃん。でも……っでも、もう大丈夫。ちゃんと取り返したから。だから―…」
雑貨屋さんの方向に転換した身体のスピードが上がっていく。
早く、早く、野薔薇ちゃんの元へ。彼女に会えたら、私はそのまま息絶えたって構わないから。
だから、だから――――。
*