第5章 Episode:05
「ぅ……っ、」
どの位の時間、こうしていたことだろう。家に着いてからも、ずっと涙が止まらない。
胸が何かに抉られているように、痛くて、痛くて。
倒れ込むように突っ伏したベットは、涙や鼻水でぐしょぐしょの状態だった。
(もう駄目だ……)
絶対、見放された。
逸らされた瞳。
きっともう、笑ってくれない。
クラスメイトには勿論のこと、家族にすら見限られてる私にとって、野薔薇ちゃんは本当に神様みたいな存在だった。
こんな私が居てもいい世界を創ってくれたのは、紛れもなくあの人で。
泣きたくなる程やさしくて、温かい世界。
その世界を手放したのは、他でもない私自身。
どうしようもなく弱くて、どうしようもなく卑怯な、私自身、だ。
どうして私はこんなにも弱いんだろう。ここまで来ると、悔しささえ込み上がってくる。
どうして……どうして?
私はいつも何かに怯えてる。何かを恐れて、何かに屈してる。
どうしてこんな、顔を上げられないようなことばっかり。真っすぐ前を向いて歩けないことばっかりしちゃうんだろう。
*