第4章 Episode:04*
「ねぇねぇ!校門のとこに居るあのピンクの髪の人、カッコ良くない!?」
「えーどれ……わ、ほんとだ!誰か待ってんのかな、てかあの子達話しかけられてる!いいな~」
前を歩いてる女の子達がキャアキャア言いながらそんなことを話してるものだから、私の目も自然と校門の方に向いてしまって。
はしゃぐ女の子達が言う通り、校門のところに立っているピンクの髪の男の子が、通り過ぎていく生徒達を呼び止めて何やら話しかけている。
確かに、遠目でも格好良い人だってことは分かったけど――――見覚えが、あった。
「だからぁ、ちゃんって子!捜してるんだけど、知らない?」
「?え~聞いたことないなぁ…」
「色白で、スラッとしてて、、綺麗な黒髪の細い子なんだけど、こう、なんつーか…ほっとけない感じの、子犬みたいな子!」
近付いていくにつれて、そんな会話が聞こえてきて。
間違いない、あそこに居るのは虎杖くんだ。
そして、彼が捜しているのは――――。
「……って、あ!ちゃん見っけ!」
「!」
私に気付いた虎杖くんが、こっちを指差しながら大きな声で言う。
あいつが?みたいな周囲の視線が突き刺さるのを感じながらも、虎杖くん、と彼に駆け寄ろうとしたその時。
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