第4章 Episode:04*
さっきみたいな電流が全身に走ったと思ったら、それからは頭のてっぺんから爪先までまんべんなく行き渡ったほのかな熱がずっと私を支配してて、何だか落ち着かない。
でも不思議なことに、胸は痛い位の熱がこもったままだった。
どくん、どくん、どくん。
野薔薇ちゃんのことを考えるだけで自然に鼓動が大きく速くなっていって、呼吸するのも難しくなってくる。
胸が、苦しくて。
このペンダントも、見てると野薔薇ちゃんが傍に居てくれてるみたいで安心するけど、その反面、彼女のことを思い出して勝手にどきどきしてる自分が居る。
(ほんとに変……)
私、病気なのかな。今だってほら、こんなにも。
野薔薇ちゃん、野薔薇ちゃんって、身体が、熱く。
(あ……)
ペンダントが、シーツの上に落ちる。
自由になった私の手はというと、目に見えない何かに引かれるように、ゆっくりと下の方に伸びていって。
気が付いた時にはもう、手が下着の中に潜り込み、少しだけ擦れたそれをやんわりと触ってみる。
駄目なのに、こんなの、そう思うのに、絡まった指先は、ぎこちなく私のそれを解していく。
(あ、ぁ……)
横目に見えるのは、野薔薇ちゃんがくれたペンダント。
そこから思い出す、彼女の声、彼女の仕草、彼女の眼差し。
『』
野薔薇ちゃんが、私を呼んでる。綺麗な手が私に触れて、やわらかい眼差しが私に向けられて―…。
鼓膜を騒つかせる水音に比例して、呼吸が荒くなっていく。
いつの間にか立てていた膝に力が入って、爪先が突っ張るのが分かった。
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