• テキストサイズ

*Pinkie*-呪術・釘崎野薔薇・GL-

第3章 Episode:03


 
歩いていると突然何かを思い出したように、野薔薇ちゃんが足を止めた。


「あ…私、買い忘れてたのあったわ。、悪いけどちょっと待っててくれる?」

「私も行こうか?」

「いや、いい。ここで待ってて」


すぐ戻るから、と野薔薇ちゃんが元来た道を戻って行く。

言われた通り、そばにあった自動販売機の横で待っていると、しばらくして野薔薇ちゃんが帰って来た。


「ごめんごめん!待たせて」

「ううん。全然いいよ」

「お詫びにコレ」


に。と渡してくれた。小さな箱。

中身を開けてみると、先ほど首にかけたペンダントだった。


「いつも買い物に付き合ってくれる。お礼も兼ねて」

「!」


そう言ってくれるけど、そんな簡単に受け取れるはずもなく、私は盛大に取り乱してしまった。


「そ、んな受け取れないよ!それかお金払わせて!お礼って、何にもしてないし、するなら私の方だよ!」

「いいから受け取るの!こうでもしないとアンタ買わないでしょ!?すっごい似合ってたのにもったいない!」


それとも、私からのプレゼントは嫌わけ?と、野薔薇ちゃんの綺麗な瞳にじっと見つめられて。

ずるい、と思った。

嫌だなんて、そんなあるわけない。そんな風に見つめられたら、もう拒むことなんて出来ない。

観念してこくりと頷くと、それでいいの、と野薔薇ちゃんの顔が安心したように和らぐ。

瞬間、全身に電流が駆け巡ったような気がした。


「あ、ありがとう。野薔薇ちゃん」

「いいえ、こちらこそ」


ビリビリと痺れたような指先で、ペンダントを取る。

チェーンの冷たさが、何だか心地好かった。



/ 99ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp