第3章 Episode:03
よろしくなのは、それはこっちの方なんだけどな…虎杖くん野薔薇ちゃんのこと大事に思ってるんだ…優しい。野薔薇ちゃんが優しいから、お友達も優しいのかな。
「虎杖。もういいでしょ、あんた、またアイツ(五条)に呼ばれてんだからさっさと行きなさいよ」
「あ、忘れてた」
野薔薇ちゃんが虎杖くんと私の間に入る。
あれ…?なんか、野薔薇ちゃん怒ってる?
さっきから私に虎杖くんをあまり近づけないようにしてるような……まあそうか、私みたいなの本当は友達として紹介したくないよね。
なんて、いつものネガティブ思考になっていると
「じゃあね。ちゃん」
虎杖くんが野薔薇ちゃんの肩越しに手を振ってくれて、短く私も手を振り返した。
去っていく虎杖くんも気にも留めずに、野薔薇ちゃんが私の方を向く。
「ほんっとごめん。、初対面とか苦手だろ?大丈夫だった?」
ああそうか、野薔薇ちゃん私を気遣ってくれてたんだ、なのに、勘違いしちゃった…駄目だなぁこの後ろ向きな性格もいい加減にしないと…。
「うん、虎杖くんいい人だったし、大丈夫だよ。私こそ…愛想なくて、感じ悪くなかったか、な?」
「そんなこと気にするようなヤツじゃないから、あの馬鹿は。んじゃ、行こっか!」
ふっと、いつもの野薔薇ちゃんの笑った顔にほっとして、少し先を歩く彼女の後を追いかけた。
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