第3章 Episode:03
何度か交わされたやり取りのはずなのに、毎回心の中が熱を含んだ何かでいっぱいになる。
野薔薇ちゃんと夕飯を食べに行った以来、野薔薇ちゃんは時々私を遊びに誘ってくれる。
多分、一人暮らししているということや、私のめちゃくちゃな食生活を聞いて、心配してくれてるんだろうと思う。
野薔薇ちゃんの優しさはすごく嬉しい。
嬉しいけど、でも。
少しだけ寂しさを感じてる私は、一体、何なんだろう。
何かがおかしい。変、なんだ。
あの夜から、自分の中の何かが変わった。でも何がどう変わったのかは分からない。
一緒に居ると嬉しい。幸せ。それは変わらない。
でも、胸の熱さが違う。前までの、ほのかな温もりじゃない。
まるで焦げつくみたいに…痛い、くらいに。
「授業始めるわよ、席に着きなさーい」
先生が入って来て、昼休みの雰囲気を微妙に引きずったまま五限目が始まる。
あと二時間。
……大丈夫、頑張れる。
だって、頑張って乗り切れば、野薔薇ちゃんに会えるんだもん。
今日も相変わらずの一日だったけど、放課後のことを心の支えに、シャンと前を向いた。
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