第2章 Episode:02
「あーもうお腹いっぱい!」
「そ、そうだね…」
会計を済ませ店を出たところで、野薔薇ちゃんがが満足気に呟く。
結局あの後、私はチーズハンバーグ半分と付け合わせの野菜とご飯を少ししか食べれなくて、普段の私から見たらすごく食べた方だったけど、その五倍以上の量を、野薔薇ちゃんは平然と胃の中に放り込んでいった。
米の一粒さえ残さず、二人分のはずだった食後のデザートまでぺろり。
最後には、綺麗になった真っ白な皿しか残らなかった。
あんなに食べたはずなのにけろっとしてるし、腹すら膨らんでない、あの大量な食料は、一体どこに行っちゃったんだろう。
「あの、野薔薇ちゃんお金……」
「あー…いい、ほとんど私が食べたし」
「でも、」
尚も財布を出そうとする私を、野薔薇ちゃんが押し留める。
「いいって言ってんでしょ、こうみえて結構稼いでんのよ、私」
だからいいの。と頭をポンってされて。
悪いなって気持ちがまだあったけど、こくり、頷いたら、よろしい、って野薔薇ちゃんが笑ってくれたから、嬉しかった。
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