第2章 Episode:02
「あんまり細いから心配になるわよ……折れちゃいそう、で」
「………っ」
「一人だと、ご飯食べるのも面倒なの…?」
ぎゅうと握ったまま、開けない拳。さり気なさを装って、ゆっくり、ゆっくり腕を引いていく。
これ以上野薔薇ちゃんに触れられていたら、心臓がどうにかなりそうだった。
「っ……面倒臭い、というか……食欲がなくて、」
「………?」
「食べなきゃとは思うけど、食べたい、とは思えなくて、体調も悪かったりするし、ひどい時なんか食べ物を見ただけで気持ち悪くなっちゃうこともあって。だから簡単なもので済ませたり、あんまりな時は食べないで寝ちゃったり……そういうのが多くて、」
駄目だよね私。なんて、頬が緩んで、口角が上がる。
野薔薇ちゃんは、そんな私をじっと見つめていた。
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