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*Pinkie*-呪術・釘崎野薔薇・GL-

第1章 Episode:01



 
「は、はは……ご、ごめん。笑ったらダメよね、でも面白過ぎるわ。アンタ」

「え、ぇ……?」

「私目当てだって、そんな正面から言われたの初めてよ」



無意識に顔を上げると、そこにはまだ苦しそうに笑ってる野薔薇ちゃんが居た。

いつもキリッとしてるイメージしかなかったから、こんな風に笑う野薔薇ちゃんは全くの予想外で。

ただただ呆気に取られてる私にお構いなしに、こんなに笑ったの久し振りだ、と一息吐く野薔薇ちゃんが向き直って。



「そんなばか正直に言われると、逆に清々しいわ。しかも生き甲斐だなんて…フフッ」



泣いてクリアになった視界に、口元を手で覆って笑いを噛み殺してる野薔薇ちゃんが映ってる。

まだ状況が上手く理解出来てないんだけど、これだけは分かった。


引かれて、ない?
嫌がられて……ない?


一つ、瞬きをすると。
目尻に留まっていた涙が、一筋だけ頬を伝った。



「……鬱陶しいって、思いません?気持ち悪い、とか………」

「え、何で?」



至極不思議そうな表情を浮かべる野薔薇ちゃん。

お願い、そのまま。

あなたの口から、聞きたい。



「嬉しいけど?回りくどく言い寄られるより、同性の子に憧れてるって言われた方が断然嬉しい」



悪い気する訳ないじゃん、と肩をポンポンってされて。

どうしてかな、胸の辺りがじんわりと暖かくなった。

一つの場所から、ゆっくり広がっていくみたいに。



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